研究を通して、
ふるさとの綺麗を守りたい
INTERVIEW
Y.G
研究部 2015年入社 薬学部
- 2015~
- 入社後、営業部配属
- 2017~
-
ジョブチャレンジ制度を利用し、
研究部へ異動
- 現在
- 研究部 チームリーダー
episode 01 仕事内容と想い
研究を通した私の挑戦
私は研究部で、2つの仕事に挑戦しています。
1つ目は、日本の植物を独自に活用した化粧品原料の研究開発です。天然物の有効性を最大限に引き出すために、独自の抽出技術を駆使し、多岐にわたるオリジナルの化粧品原料を開発しています。
例えば、秋田ふきの芽(ふきのとう)を使用した化粧品原料を開発しました。ふきの芽は苦み・香りが強い山菜ですが、この特徴は、外敵から身を守るためのものです。この特徴をもつふきの芽を人間の肌へ有効成分として活用できないか、と考えたのが出発点です。
分析を進めると、ふきの芽の主要成分はCBD(カンナビジオール)様作用があることが分かりました。CBDは皮膚の炎症抑制に加えて、皮脂分泌を整える効果があります。その起源は大麻草に限定されており、抽出部位や製品規格には厳しい規制があることなど、安全性面での懸念が課題ですが、ふきの芽ならばその心配はありません。開発したふきの芽エキスには、皮脂分泌バランスの調整機能をもたらす有効性も確認できました。このように、その植物ならではの特徴や強さに着想を得て、国産植物から多様な原料開発を行っています。
2つ目の挑戦は、入社5年目から行っている研究部のマネージメント業務です。会社の理念や経営戦略に沿って部署の指針を決めたり、メンバーの育成に携わったりしています。部署の指針は、各部署のリーダー陣が集まる会議で、会社の状況や他部署の動きを把握しながら考えます。その上で、研究部が会社の理念に沿って活動できるよう、部署の目標設定をしています。
研究員としてのスキルアップや、化粧品原料を生み出す主体性が求められるポジションと、メンバー一人ひとりの魅力を最大限に引き出すマネージメント業務、どちらの業務にもやりがいを感じています。
episode 02 働く環境
探求心の強い仲間たち
原料開発部門には、好奇心あふれる人が多く、アイディアや意見を求めると、たくさんの情報を提供してくれます。また、評価試験技術部門は、皮膚科学や実験機器のメカニズム、システム化に興味を持つ人が多い傾向です。それぞれの専門性をお互いに尊重して高め合っています。
共通しているのは、純粋に探求心が強い人ばかりということ。AIや自動化ツールなど、世の中に出てきた新しい技術に率先して触れている人や、出社したら分析してみようと、休日に公園で見つけた花びらや実を拾ってくるような人もいますね。日本の特産物を用いて原料開発を行っているからこそ、 植物に興味を持ち、栽培を趣味としている人も多いです。私も、生産者様から頂いたくちなしの苗木を大事に育てています。
episode 03 サティス製薬を選んだ決め手
植物の秘めた力を、
最大限引き出したい
大学では薬学を学び、創薬に関わる基礎研究をしていました。人の健康に携わることにやりがいを感じつつも、有効成分を人工的に生み出すのは非常に大変であると痛感していました。そんな中で、植物は自身で有効成分をつくりだす能力を持っていることに気づき、植物の秘められた力に衝撃を受けました。
そこで、天然物が持つ偉大な力を生かし、人々の生活に役立つモノづくりを仕事にしたいと思い、化粧品や食品業界なども視野に入れ就活をしていました。
天然物由来の化粧品原料の研究開発に挑戦したい気持ちと、「ふるさと元気プロジェクト」に共感したことが、入社の決め手となりました。
episode 04 プロジェクトの中での気づき
「ふるさと元気プロジェクト」は
奥深い
学生の頃は「ふるさと元気プロジェクト」=「日本伝統の植物を研究し、化粧品原料にすることで日本の特産物の付加価値を高める」という大まかな捉え方をしていました。しかし、入社してからは、さらに素敵な取り組みだと分かりました。日本の特産物の付加価値を高めるだけでなく、産地や植物の知名度向上にも貢献できる、生産者応援プロジェクトでした。
私はこのプロジェクトに関わる中で、特に生産地から情報収集することにワクワクします。論文や参考図書から得られる情報はもちろんですが、生産地へのヒアリングで知りえる「地元の人だから知っている知識」がたくさんあり、そういったお話を聞くと好奇心がくすぐられます。いつもそこで得た情報を、研究開発のヒントにしています。
例えば、岩国市のレンコンに着目して生産者様にお話をうかがった際には、主要品種である「シロバナ種」の他にも、「早生種」という品種があることを教わり、化粧品原料として有効なのはどちらなのかを検証しました。
また、生産者様と情報交換する中で、様々な課題も見えてきます。例えば、後継者不足や生産量の低下など、これらの問題をどのように解決するのかを考えていく必要があります。そのため、今後も原料開発を進めるだけでなく、化粧品メーカーなどによるPRを通じて、生産者様の想いや、その地域にも関心を持ってもらうことが重要だと考えています。
episode 05 成長を感じたこと
研究部の枠を超えた挑戦が、
私を成長させてくれた
「ふるさと元気プロジェクト」に携わってから、挑戦したのはクラウドファンディング施策の立ち上げと実行でした。
2019年の構想時には私1人で担当していましたが、同じ興味関心をもつ社員がメンバーに加わり、プロジェクト化となりました。生産者様が抱える問題に対してどのような取り組みをしたら良いか、代表の山崎に提案をしました。経営目線ならではのサポートをもらったことで、問題に対するアプローチのヒントになりました。
その中で、産地の課題解決に必要な資金調達をしつつ、特産品や産地、化粧品ブランドのファンを一般消費者から募ることができるクラウドファンディングに挑戦しました。
そして、2022年1月に国内最大級のクラウドファンディング「CAMPFIRE」と協業して、化粧品購入サイト「つなぐキレイマルシェ」をオープンしました。
化粧品を購入して集まった支援金は、後継者不足や生産量の低下などの課題を抱える生産者様を応援するために活用されました。産地の応援や日本の伝統野菜の継承への想いに共感いただいた多くの方々のおかげで、目標の支援額をクリアできました。支援させていただいた生産者様からは、「コロナによる厳しい状況の中で、食以外での活用の可能性が大きく広がり非常に嬉しい」といった、喜びの声をいただきました。
地域活性化を支えて、社会貢献性の高い仕事ができたことはプロジェクト担当として、本当に嬉しかったです!そして「つなぐキレイマルシェ」に携われたことは、私にとって大きな成長に繋がりました。
episode 06 今後のビジョン
ふるさと元気プロジェクトで、
正しい綺麗の実現に貢献する
実は、入社1年目は営業部配属でした。化粧品業界の知識、化粧品製造に関する技術的な知識など何もない私は、お客様に具体的な提案がなかなかできず、もどかしい思いをたくさんしました。当時、力になれなかった悔しさや、「今だったら、もっとこんな提案をするのに…」という熱意が、研究部での活動の原動力となっています。
「ふるさと元気プロジェクト」も、まだまだたくさんアップデートしていく必要があると考えています。その1つが、原料を社内外にもっと魅力的に伝えられるようにすることです。そのために、植物の生理機能はもちろん、育っている環境、地域の伝承、有効成分、肌トラブルのメカニズム、市場のニーズなど、様々な情報を集積しています。これにより、お客様に対してより魅力的な製品提案や製品開発への貢献ができると考えています。
今後は、研究部の中心メンバーとして技術開発だけに留まらず、ふるさと元気プロジェクトをはじめとした多角的なアプローチや挑戦をし続けることで、理念の実現に向けて確実に前進していきます。